今年観た展覧会のお話

本日もご覧いただきありがとうございます。

はるはること春名春佳です。

お待たせして申し訳ありません。

 

今回は、予告から変更して、今年観た展覧会のお話をしたいと思います。

 

 

展覧会を観に行くのが好きです。

評論できるほど目が肥えているわけではないんですけどね。

でも、「お気に入りの作品が1つでもあればめっけもん」くらいの気持ちで観に行きます。

 

 

今年のハイライトはルイーズ・ブルジョワ

 

ただいま森美術館にて絶賛開催中!(会期:2024.9.25(水)~2025.1.19(日))

 

 

副題が「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」

 

 

 

なんか不穏!

 

 

注意書きにも暴力性や性的表現についての言及があるので、確かに閲覧注意かもしれません。

でも、作者が生きた背景も考え合わせると納得の作品群でした。

なんかね、ドキッとさせられるというか、ざわつきを覚える作品が多かった。

でも、わたしはそのざわつきは嫌いではありません。むしろ必要だと思います。

 

 

わたしが個人的に気に入ったのは、

≪ヒステリーのアーチ≫

≪蜘蛛≫

2作品。

 

 

≪ヒステリーのアーチ≫

1993年 

ブロンズ、磨かれたパティナ

83.8×101.6×58.4cm 

イーストン財団(ニューヨーク)所蔵

 

見事なインスタレーションでした。

頭部のない男性の反り返ったアーチと、東京の空とのマッチングが絶妙にシュール。

 

 

当日の天気が晴れの青空だったことも手伝って、両者の対比が際立って感じられました。

反り返って吊るされる男性の不自由さや苦悶と、青空が象徴する自由と解放。

 

 

男性のポージングの美しさに見惚れてしまいがちですが、作品の置かれている文脈を考えると残酷な美しさ。そこに東京の空をかけ合わせてくるキュレーターの感性に拍手を送りたい。

 

そんな展示でした。

 

 

 

≪蜘蛛≫

1997

鋼、タペストリー、木、ガラス、布、ゴム、銀、金、骨

449.6×665.5×518.2 cm

イーストン財団(ニューヨーク)所蔵

 

 

蜘蛛はルイーズ・ブルジョワの代名詞的なモチーフ。

禍々しさすら覚えるような造形の一方で、修復と癒し、養育と保護を象徴する蜘蛛。

その蜘蛛が守るようにそびえる部屋にいるのは誰なのでしょうか。

 

 

この展覧会を観るまでは、蜘蛛は不気味な生物くらいにしか思っていませんでした。ちっちゃいものは平気だけど、大きくなってくると嫌だなくらいの認識。

でも、蜘蛛が紡ぐ糸は修復するもの。癒しや養育・保護するものだという認識はなかったので、目から鱗でした。ルイーズ・ブルジョワ自身は、家族に関して複雑な生い立ちがあるそうです。それゆえ、修復、癒し、養育、保護といったキーワードが示されるのは納得ですが、蜘蛛がその象徴になるのはとても興味深いと思います。

 

 

芸術家の感性は時折こうした視座をくれるので観るのをやめられないんですよね。

たとえそれが、受け入れがたいものであっても。

感性への刺激は、感性が喜ぶものばかりであってもつまらない。 

 

 

ルイーズ・ブルジョワ

会場 森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)

会期 2024925日(水)~2025119日(日)

開館時間 10002200(火曜日のみ1700まで)

927日(金)・28日(土)は2300まで、1023日(水)は1700まで、1224日(火)・31日(火)は2200まで

※入館は閉館時間の30分前まで

※会期中無休

 

ご都合のつく方は、ぜひ足を運んではいかがでしょうか。

 

 

次回は、今年観た映画のお話をしますね。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

皆さんが手帳ライフで幸せになりますように。

以上、はるはるでした。